漫画「マトリズム」感想・ネタバレ!薬物の怖さ…使用するキッカケをリアルに描く問題作

マトリズム

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漫画「マトリズム」は無頼侍や最近では子供を殺してくださいという親たちを描く鈴木マサカズ先生の新作漫画。薬物といった社会問題をテーマに日常にある非日常な空間を描いた作品。

麻薬取締官である草壁(くさかべ)と冴貴(さえき)が各エピソード毎に薬物使用者を追い詰めていく。

各エピソードでは対象者が薬物に依存していくキッカケ、心情などの様子がリアルに描かれると同時に薬物の怖さも垣間見ることができます。鈴木マサカズ先生特有の表情の表現が作品とよくマッチしており、誰でもすぐ傍にある闇を明るみにする意欲作。

かなりコアで好き嫌いが分かれそうな作品でもありますが、一度読み出すと見てはいけないモノを見ているような気分となり漫画の世界へと引き込まれていきます。

この漫画の評価
面白さ
(4.5)
衝撃度
(5.0)
ドキュメント度
(5.0)
リアル度
(4.5)
値段
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総合評価
(4.5)

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漫画「マトリズム」ってどんな漫画?

物語は麻薬取締官の捜査対象別で各エピソード毎に分けられており、読みやすい仕様。それぞれ対象者の日常生活が描かれ、薬物に手を出すキッカケ、理由、心情などが描かれていきます。

麻取である草壁はぶっきらぼうに見える男でもありますが、仕事に信念を持ち、出来うる限り、対象者を助けたいといった熱き想いを持った男。相方である冴貴は非常にクールで冷静。時に草壁とぶつかり合う場面もあります。そんな凸凹コンビが様々な薬物使用者を捜査して現代に蔓延る闇の一角を解決していきます。

麻薬の売人を追いつける麻薬取締官の草壁。異様な雰囲気と存在感を作中で醸し出しています。

1巻最初のエピソードは三沢小宇宙(みさわこすも)といった大学生が捜査対象。彼は大学内で麻薬を売りさばくディーラー。本人は薬物に手を出しておらず、仕入れ価格に少し自分の利益を上乗せしてお小遣い稼ぎをしている気分。

そんな小宇宙に麻取捜査官である二人が捜査令状を持って自宅へお仕掛けてくる。

草壁の強引なガサ入れは必見。冷静かつ正論を振りかざす冴貴も良い味を出しています。で、小宇宙は草壁達の強引なガサ入れに反論。「出世のための点数稼ぎでこんなの無意味だ」とか草壁が切れそな言葉を発する。

そんな小宇宙を見て、薬物を売り捌いている事を誰がチクってきたのか、小宇宙に教えることに。小宇宙が売人をやっていると垂れ込んだのは彼女である恵梨香であった。その事実に驚愕。その後、理屈をこねくり回す小宇宙に草壁の強烈な平手ビンタが小宇宙を襲う。

情けない姿を見せながら罪を認めてこの事件は一件落着。

親しいママ友から栄養剤と言われてもらった一粒の錠剤。これが身を滅ぼすことに繋がっていきます。

続いては主婦である大西由美子を対象としたエピソード。旦那に逃げられて失意のどん底にいる由美子は親しいママ友:中村に愚痴や相談。うつ気味だと語る由美子に一粒の薬物を渡す。

自宅に帰り、夜になると不安に押しつぶされそうになる由美子。気持ちが落ち着くからと渡された一粒の錠剤を怪しいと思いながらも飲んでしまう。

栄養剤と言って渡された一粒の錠剤。しかし、それを飲むことで不思議と気持ちが落ち着いた由美子は再び中村に栄養剤が欲しいとお願い。中村は貴重な薬で結構な値段がするもの…と前置きを加えた上で1錠4,000円といった売値を提示する。

既に薬にハマりつつあった由美子はその価格で承諾。3錠分を中村から買うことに。

月日は流れ、ヤツレた表情を見せる由美子。貯金が尽きるまで中村から栄養剤を買っていました。幻覚症状やら噛み合わない会話。とある日にそんな状態で冴貴と接触します。様子のおかしい由美子を調査して薬物の使用を認める由美子。本人も途中から薬物だと気づいたようです。

その後、売人の大元を見つけ家宅捜索して逮捕に成功。冴貴が前線で頑張る中、草壁は由美子の子供を父親へ引き渡すべく個人的に動いていました。無事、子供は父親に引き渡して、この件は一件落着。

43歳独身フリーター。日常生活に刺激を求めて日夜ネットの薬物売買サイトを覗いている男。

続いてはフリーターである田村浩介といった男のエピソード。ネットの薬物売買サイトで取引を行う田村。よこはまえすたぁといった売人と直接取引する様子が描かれていきます。

その中で草壁と情報屋の関係、草壁に衝撃を与えた事件の片鱗を写す描写などあり。

このエピソードはネットを利用した売買を行っている。足取りを探すのが困難で捜査は苦戦を強いている。そして麻取の二人が田村に接触する所で次巻へと続く。

漫画「マトリズム」感想

マトリズム

薬物をリアルに取り扱った漫画。
さらに売人や依存していく人間の様子が丹念に描かれており、怖さと同時に衝撃的な世界を目の当たりにできる作品です。

現代社会の闇を淡々と抉り出していき、麻薬取締官の実態や使用者の状態など中々、お目にかかれない場面が漫画を通して体験できる様になっています。

薬物の怖さを教える漫画でもありますが、これを読んで興味が出て来る可能性もあるので自制心がある推奨年齢高めの漫画とも言えます。内容はドキュメンタリー番組を見ているようで面白い作品です☆彡

管理人

漫画の魅力である知らない世界を覗くことができる作品。主にダークサイトですが(笑)テレビの警察24時みたいな番組が好きな人はきっとハマることができる漫画ですよ!

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